お知らせ
2014年03月18日
公益社団法人設立に関する取組について
特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会
会員 各位
特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会
理事長 大江 裕一郎
日頃より学会活動にご協力いただき、誠にありがとうございます。
日本臨床腫瘍学会では、第29回理事会(2012年7月25日開催)において公益社団法人移行の方針が承認されたことを受け、専門家を交えて公益社団法人化に向けての具体的な検討を進めて参りました。第35回理事会(2014年3月9日開催)では、公益社団法人化を念頭に置いた一般社団法人日本臨床腫瘍学会の設立と公益社団法人移行後の特定非営利活動法人の解散が承認されました。
つきましては、公益社団法人化に向けたいくつかの項目について会員の皆様にお知らせするとともに、新法人移行へのご理解ご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
1.公益法人化の目的
日本臨床腫瘍学会は1993年に発足した「日本臨床腫瘍研究会」を前身として2002年に任意団体として設立され、2004年12月より「特定非営利活動法人(以下、NPO法人)日本臨床腫瘍学会」として活動して参りました。
NPO法人は公益的非営利活動を目的とした組織形態であり、当会が法人格を取得した当時は学会という団体に相応しい組織形態でありました。その後、その設立のしやすさから、市民団体やボランティア団体が次々とNPO法人として認定を受け、2013年5月の内閣府の報告では47,000団体を超えるNPO法人が全国に存在しています。
NPO 法人増加の一方で、公益性の高いイメージを利用した違法行為も報じられるなど、最近ではNPO法人に対する社会的信用も以前に比べて低くなっている印象があります。こうした変化により、当会の専門的・公益的な事業内容とNPO法人との社会的イメージに隔たりが生じています。
また、2008年に『公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律』が施行され、法人格取得と公益認定が切り離されたことにより、 NPO法人制度自体の存在意義も問われ始めています。
以上のような理由から、当会が社会的信頼性の高い専門的・公益的事業を行う学会として今後も活動するためには、NPO法人から脱却し、公益社団法人へ移行すべきであると考えます。
2.公益社団法人とNPO法人の違い
総則や機関はどちらも公益の増進のために活動する法人であるためそれほど違いがありませんが、 税務上公益社団法人は税制的優遇措置を受けられるという大きな違いがあります。
項目 | 公益社団法人 | NPO法人 | |
---|---|---|---|
総 則 ・ 機 関 |
①所管庁 | 内閣府または都道府県 | 都道府県(または政令指定都市) |
②拠出金・基金 |
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規定無し | |
③会計 | 公益法人会計基準による | NPO法人会計基準による | |
④役員の任期 | 原則 理事2年・監事4年 公益財団法人は評議員の設置も必要で任期は4年 |
原則 理事・監事共に2年 | |
⑤所轄庁への定期報告 |
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事業報告書等 毎事業年度始めの3ヶ月以内に提出 |
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⑥理事会の表決権 | 理事本人の出席が必要 | 理事会に出席できない理事は、書面表決ができる | |
税 務 |
⑦法人税 |
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⑧利子・配当の源泉税 | 非課税 | 課税 | |
⑨寄付をした個人・法人への寄付税制優遇措置 | 適用 所得控除 (一定の要件を満たし、所轄庁より証明を受けた場合は税額控除) |
適用外(認定法人のみ適用) 税額控除 |
|
⑩収益事業からのみなし寄付金 | 非課税 寄付金の全額 |
認定法人のみ非課税(所得金額の50%又は200万円のいずれか大きい金額を限度(24年4月より)) | |
⑪相続財産寄付の 相続税 |
非課税 | 課税(認定法人のみ非課税) | |
⑫財産寄付による寄付者の譲渡所得税 | 非課税 | 課税 |
3.公益社団法人移行のメリットと制約
■メリット
- ①合議制機関の審査を受けて認定されるという厳しさから社会的信用性が高い。
- ②公益法人認定法上の公益目的事業は法人税法上の収益事業から除外され非課税となるなど税制の優遇措置がある。
- ③寄附者に対し寄附金の損金算入限度額とは別枠の損金算入が認められるなど、優遇措置がある。
■制約
- ①認定基準の遵守。(公益目的事業で利益を出すことの制限、公益目的事業費率50%以上、遊休財産の保有制限、情報公開、内部統制等組織・運営体制の整備が求められる)
- ②内閣府による監督があること。(報告徴収、立入検査、認定取り消し等)
- ③認定取消を受けた場合、公益目的取得財産残額相当額を国等または他の類似公益法人に贈与しなければならないこと。
当会としては、社会的信頼性の高い公益事業を行う学会として活動するために、公益社団法人移行のメリットは大きいと考えます。また、税制優遇措置が受けられることも、当会ならびに当会への寄附者の双方にとってメリットは大きいと言えます。一方、制約として掲げられる事項は、健全な組織運営のためにも積極的に取り組むべき課題であると考えられます。
4.公益社団法人への移行過程(予定)
※制度上NPO法人の状態では公益認定を受けられないため、公益認定申請前に一般社団法人を設立する必要がある
①2014年 | 4月 | : | 一般社団法人日本臨床腫瘍学会の設立1) |
②2014年 | 7月 | : | NPO法人評議員会・総会2) |
③2014年 | 8月 | : | 公益認定申請書類の整備 |
④2014年 | 12月 | : | 公益社団法人認定の申請3) |
⑤2015年 | 3月 | : | 内閣府からの公益社団法人移行認可答申、
NPO法人会員が一般社団法人へ入会4) |
⑥2015年 | 5月 | : | 内閣府より公益社団法人移行許可書発行、NPO法人の解散決議 |
⑦2015年 | 6月 | : | 公益社団法人移行登記 |
⑧2015年 | 7月 | : | 公益社団法人理事会・評議員会・総会、NPO法人の財産移動 |
⑨2015年 | 8月 | : | NPO法人の清算結了登記 |
1):一般社団法人の理事、監事は現理事から5名、現監事から1名を予定
2):定款変更の案への意見交換、公益社団法人認定スケジュールの承認
3):2013-2014年度の理事・監事で登記申請を行う
4):会員はNPO法人での会員資格にて入会。資格や会員歴等はNPO法人から引き継ぐ
以上
【公益法人の認定を受けた医学系団体】 2014/2/20現在 50音順
日本医学放射線学会 | 日本顎顔面インプラント学会 | 日本化学療法学会 |
日本眼科手術学会 | 日本看護科学学会 | 日本矯正歯科学会 |
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日本人間ドック学会 | 日本婦人科腫瘍学会 | 日本放射線技術学会 |
日本放射線腫瘍学会 | 日本補綴歯科学会 | 日本麻酔科学会 |
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