JSMO 公益社団法人 日本臨床腫瘍学会

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理事長挨拶

公益社団法人日本臨床腫瘍学会
理事長 吉野 孝之

このたび、日本臨床腫瘍学会(JSMO)理事長を拝命いたしました。歴代の理事長、役員、そして会員の皆様が築いてこられた本学会の歴史と信頼の重みを受け止め、さらなる発展に尽力する決意です。

JSMOは設立以来、Medical Oncologistの育成、がん薬物療法の発展、国際的な学術交流の推進を通じて、日本のがん医療を牽引してきました。がん薬物療法はこの20年で大きく進歩し、分子標的治療や免疫療法、さらにはゲノム医療により、新たな時代を迎えています。一方で、医療人財*の不足、ドラッグラグ・ドラッグロス、医療提供体制の地域格差など、私たちが解決すべき課題も依然として多く存在しています。こうした課題に真正面から向き合い、日本の臨床腫瘍学を次の段階へと進めることが、本学会に求められている使命であると考えています。

私が理事長として掲げるテーマは「Bridging Organizations for Excellence ―卓越した成果のために組織間に橋を架ける―」です。

これからのがん医療は、単一の専門領域や組織だけで前進できるものではありません。学会、医療機関、産業界、行政、そして患者・市民社会がそれぞれの立場から力を持ち寄り、連携することで初めて大きな成果が生まれます。JSMOは、そうした多様な主体を結びつける「橋」となり、卓越した医療と研究を生み出すプラットフォームでありたいと考えています。

その実現に向け、私たちはいくつかの重要な目標に取り組みます。

第一は、がん薬物療法専門医制度のさらなる整備と発展です。がん薬物療法専門医は本学会の最も重要な基盤の一つであり、我が国のがん医療の質を支える存在です。今後は、JSMO腫瘍内科医が主導して、外科や関連領域との連携を強化し、学会横断的な専門医制度へと発展させることで、将来的には5,000名規模の専門医体制の構築を目指します(現在1,825名認定 [2025年4月1日現在])。これは日本のがん医療の将来を左右する重要な取り組みであると考えています。

第二に、会員のニーズを的確に把握し、学会活動に反映することです。会員構成やキャリア環境は変化しており、若手医師や多様な専門領域の医師が活躍できる学会であることが重要です。教育機会の充実、キャリア支援、国際活動への参画機会の拡大などを通じて、会員が躍動できる学会を実現します。また、若手会員の入会促進や新たな会員制度の検討を進め、学会の持続的な発展につなげていきます。

第三に、がん対策への積極的な関与です。がん医療は医療政策や社会制度と密接に関わっています。本学会は専門家集団として科学的根拠に基づく提言を発信し、日本のがん対策の発展に積極的に貢献していきます。

第四に、国際的プレゼンスの強化とアジアにおけるリーダーシップの確立です。日本の臨床腫瘍学は世界的に見ても高い水準にありますが、国際共同研究や国際ガイドライン策定の場において、より多くの日本の研究者が主導的役割を担う必要があります。国際共同研究やグローバルプロジェクトを主導できる人財を体系的に育成し、将来的には100名規模の国際人財を輩出することを目標としています。JSMOをアジアの臨床腫瘍学を牽引する学術基盤へと発展させたいと考えています。

第五に、社会に開かれた学会の実現です。がん医療は医療者だけのものではありません。患者さんや市民の皆様と積極的に対話し、正確で信頼できる情報を社会に発信することが重要です。学会活動を社会に広く開き、患者・市民とともにがん医療を発展させる姿勢を大切にしていきたいと考えています。

そして第六に、国内外の関連学会との一体感の醸成です。がん医療は多くの専門領域の協働によって支えられています。日本癌治療学会、日本癌学会、ASCO、ESMO、アジア諸国の臨床腫瘍学会等をはじめとする関連学会との連携をさらに強化し、日本全体のがん医療の発展につながる協力関係を築いていきます。

これらの取り組みを支える基盤として、専門医育成、国際人財育成、そして大規模データ基盤の構築などを柱とした新たなプロジェクトを推進していきます。JSMOが中心となり、がん医療の質向上のみならず、新たな医薬品や医療技術の創出、さらには社会全体の発展にも貢献できる学術基盤を築いていきたいと考えています。

がん医療の進歩は、患者さんの人生を大きく変える力を持っています。私たちはその責任と可能性を強く自覚し、未来に向けて挑戦を続けていかなければなりません。

会員の皆様とともに、JSMOのさらなる飛躍を必ず実現したいと考えています。今後とも温かいご支援とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

公益社団法人日本臨床腫瘍学会
第7代理事長 吉野 孝之

*人は財産です。本挨拶文では人材を人財と表記させていただきました。

2026年3月吉日

    

歴代理事長

   
第7代理事長 第6代理事長 南 博信先生

吉野 孝之
(2026年3月28日〜2028年3月10日)

第6代理事長 第6代理事長 南 博信先生

南 博信
(2024年2月24日〜2026年3月27日)

第5代理事長 第5代理事長 石岡 千加史先生

石岡 千加史
(2019年7月20〜2024年2月23日)

第4代理事長 第4代理事長 南 博信先生

南 博信
(2017年7月29日〜2019年7月19日)

第3代理事長 第3代理事長 大江 裕一郎先生

大江 裕一郎
(2013年8月31日〜2017年7月28日)

第2代理事長 第2代理事長 田村 和夫

田村 和夫
(2009年4月1日〜2013年8月30日)

初代理事長 初代理事長 西條 長宏先生

西條 長宏
(2004年12月14日〜2009年3月31日)