私が本セミナーに参加したきっかけは学生時代からお世話になっている腫瘍内科の先生からお話をいただき、私は父をがんで亡くした経験があったことと、今の時代どの診療科に進んでも関わる領域だと感じていたこともあり参加させていただくことになりました。
　私たちの班は総合診療科1年目の先生1名と研修医と学生の構成だったので、腫瘍内科の専門知識を持ったメンバーがいないグループでした。グループワークではメンバーの1名が分担作業を提案してくださり、ファシリテーターの先生の知識をお借りしながら効率よく作業を進めることができました。専門知識がない私たちは自然と患者の気持ちにfocusする方針となり、病気の進行に合わせて揺れ動く患者の気持ちをテーマにシナリオ作成を行いました。このシナリオ作成を進める中で、患者背景は自分たちで進んで集めないと知り得ないということ、またその背景を知った上で治療方針を一人一人に合わせて考えていくこと、そこから患者と主治医の信頼関係の構築へと繋がっていくことに気づくことができました。
　私が本セミナーで特に印象に残ったのはがん体験者の語りでした。これほど大勢の医療者がいる前で、実際の気持ちを話すことがどれだけ勇気がいることか想像しただけで胸が熱くなりました。医師という職業柄、これから幾度となく患者とその家族と辛い経験をする場面に出会うと思いますが、私の言動一つが彼らを本当の意味で救うことになることを教えていただきました。
　懇親会や朝食の場ではこのセミナーに参加しなければ出会えなかった友人や先生との交流もあり、これから専修医となる私にとって多くの刺激と励ましを得ることができました。特に女性としてのキャリアの積み方については私自身悩んでいたので、実際に先輩方にお話を聞けたことがとても嬉しかったです。。
本セミナーに参加された皆さんがそれぞれの土地で活躍され、どこかでまた会える日がとても楽しみです。2日間本当にありがとうございました。