新専門医制度
「腫瘍内科専門医」に関する経緯と今後について<2023年12月>
2023年12月
理事長 石岡 千加史
専門医制度委員長 田村 研治
専門医審査部会長 松村 到
日本臨床腫瘍学会の会員の皆様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
本学会の「腫瘍内科専門医」は、新専門医制度において、日本専門医機構(以下、機構)により「サブスペシャルティ専門医」(=機構専門医)として既に承認され(=既承認学会)、基本領域研修との連動研修を行わない「通常研修領域」に位置付けられました。
しかしながら、2022年2月の機構による「整備基準」の審査において “承認保留”となりました。機構の指示に従い、内科を基本領域とする第1回 腫瘍内科領域 専攻医については、2022年度4月にカリキュラムを開始いたしました。
その後、当学会にて整備基準を修正し、機構のサブスペシャルティ領域検討委員会で承認されましたが、2023年6月に行われた機構の臨時理事会において、再び “承認保留”となりました。尚、本学会と同様に、「通常研修領域」に位置付けられる4領域の整備基準は、現在もすべて“承認保留”の状況です。
本学会は、これらの経緯をうけて、整備基準が承認されなければ新専門医制度下における研修を開始できないこと、専攻医に不利益を与えないことを重要視し、2022年度4月にカリキュラムを開始した第1回専攻医については、現行の学会認定「がん薬物療法専門医」の受験資格があるものは優先して受験いただくようにご案内致しました。又、2023年4月に公募した第2回 腫瘍内科領域 専攻医についても、既に該当者に事情をご説明し、カリキュラムを開始しないことと致しました。
本学会は、ひき続き整備基準の速やかな承認に向けて、機構、および、基本領域学会である内科学会と連携しながら進めて参りますが、整備基準の正式承認が得られるまでは、新たな腫瘍内科領域 専攻医公募は行わないことと致します。現行の学会認定「がん薬物療法専門医」は、質の高いがん治療を実現するために、幅広いがん種のがん薬物療法の知識と技術を持つ医師とる認定するものです。「がん薬物療法専門医」については今後も継続しますので、新専門医制度下で基本領域資格を有する方は、是非「がん薬物療法専門医」試験を優先して受験、専門医資格を取得下さい。今後、整備基準が正式承認され「腫瘍内科専門医」が軌道に乗りましたら、「学会認定専門医:がん薬物療法専門医」から、「機構専門医:腫瘍内科専門医」への移行に関する基準などについて整えます。
専門医制度の新しい情報については、今後も速やかにご報告いたします。会員の皆様におかれましては、本学会の専門医制度にご理解をいただき、今後ともご支援を賜りますようお願い申し上げます。