医学生・研修医のための腫瘍内科セミナー

■医学生・研修医のための
腫瘍内科セミナー(MOS2025 in Summer)報告

セミナー報告 Fグループ

第6回医学生・研修医のための腫瘍内科セミナーに参加させていただき、誠にありがとうございました。私は、将来的に腫瘍内科医としてキャリアを積むことを視野に考えており、最先端の知識と臨床の現実を学ぶ機会を求めて、本セミナーに参加いたしました。2日間にわたる全てのコンテンツが非常に有意義なものでした。
 今回のセミナーでは、腫瘍内科医の多岐にわたる役割について深く知ることができました。最新の抗がん剤トピックスに関する講義は、知識のアップデートだけでなく、今後のがん治療の展望を考える上で不可欠な視点を与えてくれました。また、第一線で活躍されている先生方とのパネルディスカッションでは、研究者として、臨床医として、そして一人の人間としての多様なキャリアパスを垣間見ることができ、将来の自分の姿を具体的にイメージすることができました。

セミナー報告 Fグループ1
セミナー報告 Fグループ2

最も印象深かったのは、グループFで取り組んだグループワークです。私たちのグループでは、若年女性のS状結腸癌と肝転移の症例を扱い、特に「滋賀びわ子さん」という患者さんがリンチ症候群と診断された後の問題に焦点を当てました。遺伝性疾患であるため、家族(特に姉や子ども)にどのように伝えるかという「遺伝的問題」や、2人目の挙児を希望している本人の「妊孕性温存の問題」について、深く議論しました。
 このグループワークを通じて、またがん経験者である藤田理代さんの「Cancer Journey」の発表を聞き、若年のがん患者さんが直面する、仕事や家庭、出産といったライフイベントと治療の両立の難しさを痛感しました。患者さんの価値観や人生観を尊重し、医療者がただ治療を提示するだけでなく、患者さんの抱える悩みに寄り添い、共に最善の選択肢を探していくことの重要性を学びました。架空の人物であれ最終的に、滋賀びわ子さんが治療を乗り越え、第2子を授かるというハッピーエンドを迎えられたことは、私たち医療者が患者さんの人生をいかに深く支えているかを物語っていると感じます。

本セミナーを通じて、同じ志を持つ全国の仲間たちや、腫瘍内科の発展に貢献されている先生方と交流できたことは、何よりの財産です。今回の貴重な学びを糧に、患者さん一人ひとりの人生に寄り添うことのできる医師を目指し、今後も日々精進してまいります。

がん研有明病院初期研修医
内藤 まり

セミナー報告 Fグループ3

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