医学生・研修医のための腫瘍内科セミナー

■医学生・研修医のための
腫瘍内科セミナー(MOS2026 in Summer)報告

セミナー報告 Fグループ

この度、「第7回医学生・研修医のための腫瘍内科セミナー(MOS2026夏)」に参加する貴重な機会をいただきました。第一線でがん診療に携わる先生方から直接ご指導いただき、全国から集まった医学生・研修医の皆様と議論を重ねた時間は、「患者さんにとって最善の医療とは何か」を改めて考える大変貴重な機会となりました。
 中でも特に印象に残ったのが、「Precision Medicineを利用した乳がん」をテーマとしたグループワークです。私たちは治療法からではなく、まず一人の患者さんの「人生」を描くことから始めました。淡路島で夫、幼い娘、義父母と暮らす若い女性を設定し、仕事や家族関係、生きがいまで想像した上で、再発、薬物療法、遺伝子検査、治験、緩和ケアへと続くPatient Journeyを考えました。

セミナー報告 Fグループ1
セミナー報告 Fグループ2

これまで私は、Precision Medicineを、遺伝子変異やバイオマーカーに基づいて、一人ひとりに適した治療を選択する医療として捉えていました。しかし今回の議論を通して、腫瘍を精密に知り、治療選択肢を増やすことだけでは、必ずしも患者さんにとっての「最善」には辿り着けないことに気づかされました。
 特にBRCA検査をめぐる葛藤が印象深い一場面でした。遺伝情報を知ることは、治療選択肢を広げる一方で、患者さん自身だけでなく家族の将来にも関わります。「知ることができる」ことと「知りたいと思える」ことは必ずしも同じではなく、その不安や葛藤を含めて意思決定に寄り添う大切さを学びました。また、CGPによって新たな治療の可能性が示されても、通院や費用、副作用、仕事、家族との時間など、その選択の背景には患者さんの生活そのものがあります。「娘の入学式を見届けたい」という願いを知ったとき、治療が単なる薬剤の選択ではなく、「その人が大切にする時間を生きるための選択」として見えるようになりました。

今回のセミナーを通して、腫瘍を知ることと同じくらい、患者さん自身を知ることの大切さを学びました。医学的な「最善」を患者さんにとっての「最善」へとつなげられる医師を目指し、今後も研鑽してまいります。
 最後になりましたが、本セミナーの企画・準備から当日の運営まで、細やかなお心配りのもとご尽力くださいました日本臨床腫瘍学会事務局の皆様に、心より御礼申し上げます。また、熱意をもってご指導くださった先生方、ともに真剣に議論してくださった参加者の皆様にも深く感謝申し上げます。このセミナーで得た学びとご縁を大切にし、今後の診療に生かしてまいります。
仙台医療センター
林瞳美

セミナー報告 Fグループ3

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