ご挨拶
この夏、がん医療の未来に出会う
がん診療は今、大きな変革の時代を迎えています。分子標的薬、免疫療法、がんゲノム医療、支持療法、さらには多職種連携やアドバンス・ケア・プランニングまで、腫瘍内科医が担う役割は年々広がり続けています。腫瘍内科は、単に抗がん剤を処方する診療科ではありません。患者さん一人ひとりの人生や価値観に向き合い、科学的根拠に基づきながら、最適な治療を考え、支え続ける診療科です。
日本では年間約100万人が新たにがんに罹患し、多くの患者さんが腫瘍内科医を必要としています。一方で、質の高いがん薬物療法を担う腫瘍内科医は、まだ十分とは言えません。これからの日本のがん医療を支えていくためには、皆さんの力が必要です。
腫瘍内科の魅力は、そのダイナミズムにあります。新しいエビデンスや治療法が次々と生まれ、数年前には考えられなかった治療が、今では日常診療となっています。最先端の医学を学び続けながら、患者さんの人生に深く関わることができる―それが腫瘍内科です。また、診療だけでなく、研究、教育、がんゲノム医療、地域連携、国際活動など、多様なキャリアを描けることも大きな魅力です。
日本臨床腫瘍学会では、毎年夏に「医学生・研修医のための腫瘍内科セミナー(MOS)」を開催しています。このセミナーは、腫瘍内科とはどのような診療科なのか、がん治療の面白さとは何か、腫瘍内科医はどのような未来を切り拓けるのかを、実際に学び、感じてもらう場です。同世代の仲間や第一線で活躍する腫瘍内科医との交流を通じて、皆さん自身の将来を考える貴重な機会になると思います。
腫瘍内科は、まだ発展途上の分野です。だからこそ、皆さん一人ひとりが未来を創ることができます。決められた道を進むだけではなく、自ら新しいがん医療を切り拓いていく。その醍醐味を、ぜひMOSで感じてください。
この夏、びわ湖のほとりで、皆さんとお会いできることを楽しみにしています。
日本臨床腫瘍学会 専門医部会長
医学生・研修医のための腫瘍内科セミナーワーキンググループ長
聖マリアンナ医科大学 臨床腫瘍学講座
砂川 優

