■医学生・研修医のための
腫瘍内科セミナー(MOS2026 in Summer)報告
セミナー報告 Bグループ
私は、大学の臨床実習でお世話になった呼吸器内科の先生からMOS2026夏のセミナーをご紹介いただいたこと、もともと腫瘍内科に興味があり、がん医療や腫瘍内科についてより深く知りたいと思ったことから、セミナーへの参加を決めました。このようなセミナーに参加するのは今回が初めてだったため、セミナー前は少し不安でしたが、実際にセミナーに参加してみると、プレシジョンメディシンやがん医療の変化、腫瘍内科の先生方のキャリアなどについて興味深いお話を聴かせていただいたり、他大学の医学生の方、研修医・専攻医の先生方と活発にディスカッションさせていただいたりと、大変充実した2日間を過ごさせていただきました。
今回のセミナーで特に印象に残ったプログラムは、がん患者さんのPatient Journeyを創るグループワークとがん体験者の方の語りをお聴きするプログラムです。
グループワークでは、患者さんの社会的背景やライフイベント、治療後の生活にまで目を向け、様々な視点から議論しながらがん患者さんのPatient Journeyを創り上げたため、がんの診断や治療だけでなく、患者さんの人生や幸せについても改めてしっかりと考えることができました。また、同じグループの研修医・専攻医の先生方が大腸癌の治療レジメンについて分かりやすく説明してくださり、とても勉強になりました。
また、がん体験者である藤田様のお話にあった、「医学的に正しい説明や前を向かせる声かけは必要だが、患者さんの今の気持ちを置いてけぼりにすると、治療目標に患者さんだけが追いつけなくなることがある」というお言葉が強く印象に残りました。医学的に正しい説明や医療者が患者さんを励まそうと思って発した声かけであっても、患者さんの「今の気持ち」を無意識に決めつけたりきちんと聴かなかったりすると、患者さんの負担になってしまうことを忘れず、患者さんを決して「追い越さない」ようにしようと誓いました。
グループワークと藤田様のお話を通じて、患者さんにはそれぞれのPatient Journeyがあり、治療の旅路では患者さんやご家族だけでなく、医療者もともに旅をしているのだと考えるようになりました。患者さんの葛藤や苦しみ、つらさに耳を傾けることを忘れず、患者さんとともに治療の旅路を歩み、治療後の患者さんの人生にも寄り添った診療ができる医師になりたいと、強く思いました。
今回、このような貴重な機会を用意してくださった日本臨床腫瘍学会の皆様、セミナーでご指導くださった先生方に、この場をお借りして心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
吉岡宏彌

