■医学生・研修医のための
腫瘍内科セミナー(MOS2025 in Summer)報告
セミナー報告 Iグループ
2025年7月26日から27日にかけて開催された日本臨床腫瘍学会主催の「医学生・研修医のための腫瘍内科セミナー(MOS2025 in Summer)」に参加させていただきました。全国から集まった医学生や研修医とともに、がん診療の最前線について学ぶ貴重な機会となりました。


初日の講義では、がん医療の変化とがん薬物療法専門医の役割について学びました。特に免疫チェックポイント阻害剤の登場により、がん治療が劇的に変化していることを実感しました。同時に、免疫関連有害事象(irAE)への対応の重要性も理解でき、腫瘍内科医には幅広い知識と迅速な判断力が求められることを学びました。
最も印象的だったのは「Cancer Journey」をテーマにしたグループワークです。根治不能な進行がん患者、AYA世代のがん患者について様々な背景を持つ患者のPatient Journeyを作成しました。医学的な治療だけでなく、患者の生活、家族との関係、社会的な側面まで考慮する必要があることを深く理解しました。
パネルディスカッションでは、厚生労働省、女性医師、市中病院、アカデミア、開業医という多様な立場の先生方から、腫瘍内科医のキャリアパスについて伺いました。それぞれの立場での挑戦や、やりがいを聞くことができ、腫瘍内科医としての多様な可能性を知ることができました。
セミナー終了後の懇親会では、参加者同士や指導医との距離が近く、がん診療への熱い思いから日常生活のことまでざっくばらんに語り合いました。全国から集まった仲間とのつながりは励みになり、今後の進路選択に大きなヒントを得ました。このセミナーを通じて、腫瘍内科医は単に抗がん剤を投与するだけでなく、患者さんの人生に寄り添い、最適な治療を提供する総合的な臨床医であることを学びました。今後も研鑽を積み、患者さんと家族に寄り添える腫瘍内科医を目指していきたいと思います。このような素晴らしい学習機会を提供してくださった日本臨床腫瘍学会の皆様に心より感謝申し上げます。

天理よろづ相談所病院初期研修医
西岡 龍一朗