医学生・研修医のための腫瘍内科セミナー

■医学生・研修医のための
腫瘍内科セミナー(MOS2019 in Spring)報告

セミナー報告 Eグループ

京都第一赤十字病院呼吸器内科の藤井博之と申します。この度、私は呼吸器内科専攻医(医師3年目)という立場で本セミナーに参加させて頂きました。
セミナー報告セミナーでは、がんゲノム診療元年を間近に控え、より臓器横断的ながん診療に対応出来る事の大切さや、諸先生方のキャリアパスなどを知る事が出来ました。内容は臨床からトランスレーショナル・リサーチ、がんサバイバーの方々の実体験、新専門医制度の概要など多岐に渡り、非常に興味深かったです。
 講義の中の「Nivolumabを最も上手に使いこなせる医者はどこにいるのか?」という一節が印象に残っており、ICIが様々ながん種に適応拡大され、irAEなどの対応も必要になる現状で、がん薬物療法専門医がチーム医療の中で果たすべき役割を改めて考える機会となりました。
 後半のグループワークで我々の班に与えられたテーマは「ICIについて」です。我々の班は学部3年生から医師3年目までの幅広い年代層のグループであり、最初はお互い戸惑う場面もありましたが、ファシリテーターの三浦徳宣先生の御指導の下、すぐに打ち解け、活発な討議を行う事が出来ました。最終的には“irAEとしての1型糖尿病を発症してしまった大津びわ子さんの症例”という寸劇の形で討議内容を纏めました。
 セミナー報告劇中に班員扮する腫瘍内科医や呼吸器内科医、糖尿病内科医、コメディカルスタッフなど多くの職種が登場するシナリオとなり、講義で学んだ、がん診療における多職種連携の大切さをチーム一丸となって伝えられたと思います。懇親会では多くの先生方とお話させて頂く機会に恵まれ、どうやったらがん薬物療法専門医の資格が取れるのか、自分がしたいと思っていることを実現するにはどのようなキャリアプランを立てればよいのか、など非常に具体的なアドバイスを頂く事が出来ました。学生の頃は漠然とがんに興味を持っていたくらいの私ですが、今では実際に呼吸器内科医として肺癌の治療に携わっています。
 本セミナーで学んだ事や見聞きした見分を自分なりの次へのステップに進む活力にしたいと思います。最後になりますが、2日間、非常に充実した時間を過ごさせていただき、心より感謝申し上げます。  

京都第一赤十字病院呼吸器内科後期研修医
藤井 博之


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