JSMO 公益社団法人 日本臨床腫瘍学会

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理事長レター

理事長レター Vol.21

二度目の理事長を拝命し8か月が経ちました。
この間、日々の理事長業務をこなしながら私が常に考えていたことは、がん薬物療法が適正に行われることを考えて腫瘍内科学を実践し、
JSMOの事業活動における若手や中堅の会員の皆様の貢献に何とか報いたいということです。

学会の事業活動、すなわち委員会活動やセミナーでの講師などの活動はボランティア活動でもあります。
会員の皆様のJSMOひいてはがん医療への貢献が目に見える形で評価される仕組みが必要だと考えます。そこで、JSMOのボランティア活動ごとにポイントを付与し、その累積に応じて表彰や特定の権利を得られる制度を導入することで、会員の皆様の貢献に少しでも報いることができるのではないかと考えました。現在、その制度の具体的な設計については、総務委員会において検討を進めてもらっています。JSMOの事業は会員の皆様のボランティア活動で支えられています。今後とも皆様のご支援をお願いします。

これから腫瘍内科医を目指す人にはぜひ幅広いがん種のトレーニングを積んで欲しいと思います。できれば血液疾患も診れるようになってほしいと思います。抗腫瘍効果の考え方や副作用管理に今までとは全く異なった技量が必要となる免疫チェックポイント阻害薬は多くのがん種に使われるようになりましたが、様々ながん種を診療する腫瘍内科医の利点を発揮できます。がんゲノム医療では分子標的薬は発生臓器ではなく遺伝子情報に基づいて適用を考える必要があります。特定の臓器がんのトレーンングしか積んでいないと十分に対応できません。臓器横断的なトレーニングを積み、その上で各臓器がんの専門性を持つのもいいし、general oncologyを実践するのもいいと思います。まだまだ我が国ではgeneral oncologyを実践できる人は少数しかいません。
日本の津々浦々でがん医療が適正に行われるようgeneral oncologyが可能な医師が増えて欲しいと思います。

2024年(令和6年)11月吉日
公益社団法人 日本臨床腫瘍学会
理事長 南 博信

 

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