- 会員の皆さまへ
理事長レター Vol.5「第15回学術集会、会員アンケートについて」
3月になり、春の気配を感じられるようになりました。日本臨床腫瘍学会会員の皆様におかれましては、年度末のお忙しい中、お変わりなくお過ごしでしょうか?
第15回日本臨床腫瘍学会学術集会 は、谷本光音会長のもと「最適のがん医療 ーいつでも、何処でも、誰にでもー」をテーマに本年の7月27日より29日まで、昨年に引き続き神戸で開催されます。今年は海外からの一般演題106題を含め、1,057題の演題応募がありました。昨年同様に多くの演題を提出いただき心より感謝申し上げます。昨年の第14回学術集会では約6,700名の参加があり、今年もさらに多くの方に参加いただけることを期待しています。
今年は15周年記念企画も計画中です。日本臨床腫瘍学会は2002年に設立されましたが、丁度そのころより様々な分子標的薬が登場し、がんに対する薬物治療がこの間に大きく変わりました。この15年の薬物治療の進歩を、臓器ごとに振り返ってみたいと考えています。学術集会の詳細については、ホームページ やFacebook などもご覧いただければと思います。
日本臨床腫瘍学会が目指すのは、米国のASCO、欧州のESMOと肩を並べるアジアのJSMOになることです。そのような観点から、中川和彦会長のもと大阪で開催された第10回学術集会の時から、海外からの一般演題を受け付けています。毎年100題前後の一般演題が海外から寄せられ、今年もアジアを中心に18か国から106題の応募がありました。さらなる国際化は重要な課題ですが、一方で学術集会にはメディカルスタッフなど医師以外の参加者も多く、全てのセッションを英語で行うことは現実的ではありません。学術的なセッションは英語中心で行い、専門医制度などの社会的なセッションや教育セッションは日本語で行うなどの配慮は必要です。同時通訳を有効に活用することも重要です。
このような方針は、学術集会長の意向で毎年変わるのは望ましくなく、学会としての方向性は継続されなければなりません。また、学術集会の内容にも継続性を持たせることが必要です。現在の学術集会のプログラムは学術集会長がプログラム委員会を組織して決定していますが、今後は学会の学術企画委員会が中心となって企画する方向で検討中です。
日本臨床腫瘍学会が、ASCOやESMOと肩を並べるには、まだまだ解決すべき課題が山積しており決して容易ではありません。特に、注目される国際共同試験の結果を、日本臨床腫瘍学会で最初に発表してもらえるようになることが重要です。そのためには、海外からの参加者を増やし国際的に注目される学会へ発展させることが必要です。少しでもASCO、ESMOに近づけるよう努力を継続したいと思います。
日本臨床腫瘍学会では、会員の皆様のご意見を学会運営に反映させるために、会員委員会が主導となり会員アンケートを実施しています。今年も4月頃に実施する予定ですので、皆様のご協力をお願い致します。アンケート内容は、会員属性、会費、機関誌、学術集会、地方の活動、教育セミナー・Best of ASCO® in Japan、役員選出、会員サービス、行政当局対応、専門医制度、ホームページ、禁煙などに関する事項を、幅広く伺う内容になっています。設問数が若干多いですが、いずれも今後の学会運営上重要な項目ですので、是非ご理解をいただければと思います。
2017年度は、協議員、理事など役員改選の年ですが、日本臨床腫瘍学会では協議員、理事ともに選挙で選出される以外に、指名委員会の推薦をもとに選任される推薦枠があります。これは選挙のみで役員を選出すると専門分野、地域、性別、職種などに偏りが生じる恐れがあるためです。特に理事の選任にあたっては、会員の20%を占めるメディカルスタッフ枠を設けるか、女性枠を設けるか、などが議論されています。今回のアンケートでも、この件に関して多くの会員からのご意見をいただければと思っております。
役員の改選と同時に各委員会/部会の委員についても新しい体制になります。これまで各委員会/部会の委員は委員長の指名により選任されていましたが、今回はアンケート結果を参考に、専門医、協議員より自薦を一部受付けることと致しました。多くの先生方から応募いただき大変心強く感じています。やる気のある先生方に積極的に委員会活動に参画していただくことにより、委員会が活性化されるものと大いに期待しています。
その他にも、これまでのアンケート結果をもとに、以下について改善中です。
1)関係省庁、団体に提出した要望書をホームページに掲載(予定)
学会は薬事承認や薬価収載、診療報酬改訂に対してもっと行動すべきとの意見を多くいただきましたが、一方で、これまでの行政当局・政府などへの要望書が会員に明らかにされていないとの意見も少なくありませんでした。そこで、今後これらをホームページに掲載する予定です。 2)専門医紹介のリーフレット を作成しがん診療連携拠点病院などに配布
専門医に関する一般への情報提供が十分ではないとのご意見に基づき紹介リーフレットの作成、新聞記事の掲載 などを行いました。 3)学術集会での学会事務局ブースの出展
入会受付、変更手続き、年会費納入などができるようになりました。是非、ご利用ください。
日本臨床腫瘍学会では、これからも会員の皆様のご意見を聞きながら、より良い学会になるよう努めてまいります。引き続き会員の皆様からのご支援、ご協力をいただければ幸いです。
2017年3月17日
日本臨床腫瘍学会
理事長
大江裕一郎