- 会員の皆さまへ
理事長レター Vol.11「新年のご挨拶」
新年、明けましておめでとうございます。
皆様は新しい年をどのようにお迎えでしょうか。
昨年は、日本臨床腫瘍学会は多くの新規事業を立ち上げました。免疫チェックポイント阻害薬が多くのがん種に使用されるようになり、製薬企業が主体となって各薬剤ごとに安全対策の教育活動が行われていますが、ほとんどが共通の内容です。そこで日本臨床腫瘍学会では、昨年「がん免疫療法に関する包括的教育プログラム」を始動させ、製薬企業のバイアスを排除して学会主体で教育活動を開始しました。医師向けのセミナーのみならず、チーム医療推進のためのセミナー も開催し大変盛況でした。参加申し込みいただいたにも関わらず定員オーバーで参加できなかった方には申し訳なく思いますが、今年も計画していますので学会ホームページ等をチェックしていてください。
また、昨年は、老年腫瘍学セミナー、JSMO/ASCO Young Oncologist Workshopなどの新事業を行い、今年も予定しています。それぞれ中心となってくれたメンバーの方に感謝するとともに、今年も良い企画をお願いしたいと思います。
さて、今年の学術集会を2019年7月18日(木)~ 20 日(土)に京都で開催します。今年の学術集会は大きく変わります。Plenary Sessionに代えて他のプログラムと平行するPresidential Sessionを1日1セッション、3日間企画し、一般演題の中から最も重要な演題を発表してもらいます。また、他の良い演題はOral Sessionで発表してもらいます。これら一般演題の発表はすべて英語での発表・討論となります。これは日本臨床腫瘍学会を国際社会、とくにアジアでのメディカルオンコロジーの学会として位置づけ、国際化を推進するためです。Presidential Sessionでの発表を目指して良い演題をご応募ください。皆様のお知り合いの海外の研究者にも演題応募を働きかけてください。もちろん、一般演題でもメディカルスタッフが中心となったり、日本特有の問題を討論する企画や、教育プログラムなどは十分に議論し理解を深めるために、これまで通り日本語で発表していただきます。日本臨床腫瘍学会学術集会の国際化のために会員の皆様のご理解と、ご協力をお願いします。
昨年は新たな企画として「医学生・研修医のための腫瘍内科セミナー 」を開催しました。これは私が長いこと実現したいと考えてきたプロジェクトです。多くの若手医師にMedical oncologyに興味をもってもらい仲間を増やさなければ、日本のがん薬物療法は良い方向に向かいません。多くの大学で腫瘍内科学の教育活動が十分でない状況で、学会が取り組むべきことの一つとしてこのセミナーを企画しました。滋賀県の大津プリンスホテルにて泊りがけで行いましたが、大盛況でした。参加者の中には他の診療科と迷っていたがこのセミナーに参加して腫瘍内科に進むことを決めた人もおり、大変にうれしく思います。運営してくれた委員の皆様に感謝したいと思います。次回は2019年3月16日~17日(日)に、同じびわ湖大津プリンスホテルで開催します。昨年は希望者多数で参加できなかった方には、今年はぜひ参加していただきたいと思います。
これまで日本臨床腫瘍学会は順調に成長し大きな学会になりつつあります。組織が大きくなったからこそガバナンスをとりながら効率的な運営ができる学会体制を構築したいと思います。会員の皆様には、日本臨床腫瘍学会のため、日本のがん医療のために、ご意見、ご提案を学会までお寄せいただきたいと思います。事務局で検討し所管の委員会および理事会で検討し、なるべく多くを実現したいと思います。本年もよろしくお願いします。
2019年1月1日
日本臨床腫瘍学会
理事長
南 博信