第1回 医学生・研修医のための腫瘍内科学セミナー

■第1回医学生・研修医のための
腫瘍内科学セミナー報告

セミナー報告 Iグループ

この度、腫瘍内科学セミナー参加についての感想文を寄稿する貴重な機会をいただいた。私は医学科最終学年の立場として、参加の経緯と学んだことについて述べたい。
 セミナー報告初期研修先を決める試験や卒業試験を控えた私が、本セミナーに参加しようと思った理由は、腫瘍内科医を目指していたからではない。たしかに、初期研修後の進路を考えさせられる機会は臨床実習中に幾度とあり、終末期のがん患者さんを担当させていただいた経験から、がん診療への興味は抱いていた。しかし一番のきっかけは、とある総合診療の勉強会において、国民の2人に1人ががんにかかる時代であること、将来どの診療科に進んだとしても、主治医としてがん診療に向き合う機会は必ず来る、というお話を腫瘍内科医から聞いたことである。そこで腫瘍を専門とする医師はどのような考えのもとにがん診療をされているか、そのマインドを学ぶことを目標として応募を決めた。
 セミナーにおける学びは、臓器横断的ながん薬物療法の修得を基盤とすること、患者さんの病態や社会背景に配慮し、一生に寄り添う姿勢が必須であること、エビデンスが作られた経緯、根拠を丁寧に読み解き、目の前の患者さんに適切に用いる力が求められることである。
 セミナー報告これらは講義だけから学んだのではない。むしろ、グループワークや懇親会における先生との交流からの方が得る機会は多かった。私のグループメンバーは初期研修と専門研修の先生、医学生(3年と6年)から構成されていた。直近の先輩方からもお話を伺い、また先輩方がベテランの先生にされる進路相談を一緒に聞かせていただくことで、1、2年単位での自分の行動目標を立てやすくなった。
 私にとってこのセミナーはがん診療のマインド以上のものを得ることができた。初期研修医の時に再度参加したい、また医学生にも腫瘍内科という専門分野をきっかけに将来を考える契機としてぜひおすすめしたいセミナーである。  

信州大学医学部医学科6年
田川哲也


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